2024年12月07日(土) 八幡さんの仮殿遷座祭(伊勢市神社港) (徒歩)
伊勢市神社港の八幡さんで仮電遷座が斎行されるとの一報をいただいた。
「神社港の八幡さん?」
どうやら神社港公民館前の小祠が八幡社とのことだ。
八幡社のことは知らなかったので、少し調べたところ
伊勢参宮名所圖會五上 神社村には、御食神社と道を挟んで向かい側に神社らしき建物が確認できる。しかし、詳細は記述されていない。
そこで、神三郡神社参詣記を確認したところ、神社村が次のように記されていた。
○神社村 南川岸ニ大森ナミ社あり、千木鰹木御棟持柱外宮作ノ社、外宮摂社
□祭神 水戸(ミナト)神 速秋津彦命 大御食津姫命
□浜ニ井戸あり辰サント申
□社の内ニ小社 天バク 東の社
□ 小社 稲荷大明神の前
村ノ西川岸ニ小森小社あり
□ 天バク 大口神社トモ云 山神もあり
神三郡神社参詣記 より【引用】、赤字は筆者
ここで関連しそうなのが、「社の内ニ小社 天バク」の記述である。
天バク = 天白
天白信仰なら信仰の対象は星神や水神などだがら、水神ならこの地にはふさわしい。
しかし、八幡さんとは関連がないのか・・・
そんなことを考えならが現地を訪れた。
神社港を確認してから
八幡社が鎮座する神社港公民館を訪れた。
こちらで、地元の方に尋ねたところ
別の場所にあった天白社が何度か移転した後、こちらへ祀られた
とのことだった。詳細は不明だが、別の場所にあった天白社が最終的にはこちらへ移され、八幡社になった? 神三郡神社参詣記とのつながりを確認できた。
こちらの八幡社については不詳のようなので、独自に調べてみようと思う。
ここでは、八幡社の仮殿遷座の様子を記録しておこう。
驚いたことに、修祓の祓所は豊受大神宮の摂社である御食神社だった。
御食神社の祓所には
大ぶりの辛櫃が据えられていた。(何に使用される?)
八幡社へ戻ると奉仕者が神前へ集まってきた。
準備が整うと、奉仕者は修祓のために御食神社へ。まずは手水。
御食神社の前に整列すると
修祓となった。
修祓を終えると辛櫃を先頭に、八幡社までの参進。
辛櫃は社殿の脇へ。
神職が祝詞を奏上(私も低頭)。
祝詞が終わると辛櫃は
神前へ移動された。
しばらくすると、低頭の指示があったので、私も低頭。「ぎぃー」と御扉が閉じられる音の後、「おなおりください」と低頭は解除された。この間に御神体が辛櫃へと移されたようだ。
どうやら、この辛櫃がそのまま仮殿となり、絹垣の代わりに辛櫃による遷座となった。
神前を後にした辛櫃は
神社港公民館へと向かい
その玄関へと吸い込まれていった。
私はこれ以上、進めないので
仮殿遷座祭を終えた八幡社を
確認してから
御食神社にお参りすると、神社港を後にした。
八幡社の仮殿遷座祭を体感し、驚いたことが2点。
ひとつは、絹垣ではなく、辛櫃により遷座が斎行されたこと。
いままで多数の遷座を体感してきたが、こんなことはなかったような。
【参考】
さらに、2つ目は神宮の神職が奉仕されていたことだった。
それはこちらの記事でも紹介したように、御食神社は神宮(豊受大神宮)の摂社であるとともに、神社港の産土社でもある。このような関係性から特別に奉仕されているのかもしれない。
【参考】
- 初辰行事は「辰の井」からのお水取り、御食神社(伊勢市神社港)2022 2022年01月03日
なお、
今回の御遷座は30年ぶりで、社殿は造替され、御還座は2月8日である。
とのことだった。
八幡さんの由緒が気になる。
気合を入れて調べてみよう。